ASUS TURBO-RTX2080TI-11Gレビュー|GTX 1080 Tiと4K・VR性能を比較

ASUS TURBO-RTX2080TI-11Gレビュー|GTX 1080 Tiと4K・VR性能を比較

ASUSの外排気タイプGeForce RTX 2080 Ti「TURBO-RTX2080TI-11G」を購入しました。

それまで使用していたのは、同じASUS TURBOシリーズのGeForce GTX 1080 Ti。今回は実際にGTX 1080 TiからRTX 2080 Tiへ換装し、外観やサイズ、冷却機構の違いに加えて、4KゲームやVRでどの程度変化を感じられるのか試してみます。

ベンチマークを厳密に測定するというより、実際に自作PCへ組み込み、普段のゲーム環境で使用したときの体感を中心としたレビューです。

GeForce RTX 2080 Tiとは?

GeForce RTX 2080 Tiは、NVIDIAのGeForce RTX 20シリーズに登場したハイエンドGPUです。

GTX 10シリーズまでのGPUとの大きな違いのひとつが、リアルタイムレイトレーシングなどの新しいグラフィックス技術に対応したことです。

レイトレーシングは、光の反射や影、映り込みなどを計算することで、より現実に近いライティング表現を可能にする技術です。

また、Tensor Coreを利用するDLSSなど、AIをグラフィックス処理に活用する仕組みもRTXシリーズの特徴として登場しました。

RTX 2080 Ti発売当時は、こうした新機能への対応ゲームはまだ限られていましたが、単純な描画性能だけではなく、その後のGeForceへ続く新しい方向性を示したGPUでもあります。

RTX 2080 Tiを取り付けるPC環境


RTX 2080 Tiを搭載する自作PC環境
DOS/Vさんの11月号に掲載いただきました

今回RTX 2080 Tiを取り付けるのは、2018年2月ごろに組んだMini-ITXの自作PCです。

VRや4K環境でゲームを遊ぶことを目的に組んだマシンで、これまでASUS TURBO-GTX1080TI-11Gを使用していました。

Intel Core i7-8700K(5.0GHz OC)
Samsung 960 EVO M.2 250GB×2(RAID 0)
Corsair DDR4 VENGEANCE 8GB×2(16GB)
Corsair RM750x 750W
ASUS ROG STRIX Z370-I GAMING
ASUS TURBO-GTX1080TI-11G
ASUS ROG Centurion
ASUS ROG GLADIUS II ORIGIN
ASUS ROG CLAYMORE
ASUS ROG SWIFT PG27AQ
NZXT KRAKEN X52
NZXT H200i White
NZXT Aer RGB LED 120mm×2
NZXT INTERNAL USB HUB
NZXT HUE+
NZXT PUCK BA-PUCKR-W1

GTX 1080 Tiでも特に大きな不満があったわけではありませんが、4KやVRでもう少し性能に余裕が欲しかったためRTX 2080 Tiへ交換してみることにしました。

購入当時の価格は約17万円。かなり高価なGPUですが、発売直後のハイエンドモデルが実際にどこまで違うのか試してみます。

ASUS TURBO-RTX2080TI-11Gを写真でチェック

今回購入したTURBO-RTX2080TI-11Gは、ASUSのTURBOシリーズらしいブロワーファンを採用した外排気タイプのグラフィックボードです。

ケース内部へ熱を拡散するタイプとは異なり、カード内部を通った空気をブラケット側からケース外へ排出する構造になっています。


ASUS TURBO-RTX2080TI-11G 外排気クーラー
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/40 sec, ISO80)

TURBOシリーズおなじみの外排気タイプ

RTX 2080 Ti TURBOの外観デザイン
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO80)

GTX 1080 Ti TURBOと比較すると、よりスタイリッシュな外観になりました

ASUS RTX 2080 Ti TURBO 映像出力端子
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO80)

GTX 1080 Ti TURBOと比較するとHDMI端子が減り、USB Type-C端子が追加されています

ASUS RTX 2080 Ti TURBO 側面
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/80 sec, ISO80)

GTX 1080 Ti TURBOにあったASUSロゴとはデザインが変更されています

RTX 2080 Ti TURBO ブロワーファン
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO80)

RTX 2080 Ti TURBOのブロワーファン

ASUS TURBO-RTX2080TI-11G 本体
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO80)

ASUS TURBO-RTX2080TI-11G

RTX 2080 TiとGTX 1080 Tiのサイズ・冷却構造を比較

ここからは、これまで使っていたASUS GTX 1080 Ti TURBOと並べて違いを見ていきます。


RTX 2080 Ti TURBOとGTX 1080 Ti TURBO比較
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO2000)

GTX 1080 Tiと比較すると、RTX 2080 Tiはかなり重量感があります

RTX 2080 Ti TURBO ブロワーファン比較
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO5600)

RTX 2080 Ti TURBOのブロワーファン

GTX 1080 Ti TURBO ブロワーファン
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO3600)

使用後のGTX 1080 Ti TURBO。ブロワーファンには少しホコリが付いています

RTX 2080 TiとGTX 1080 Ti サイズ比較
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO1000)

カード長は約270mm。GTX 1080 Ti TURBOが入っていたケースなら比較的換装しやすいサイズです

RTX 2080 TiとGTX 1080 Ti ヒートシンク比較
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO4000)

右がRTX 2080 Ti、左がGTX 1080 Ti。RTX 2080 Tiではヒートシンクが大型化しています

ASUS GTX 1080 Ti TURBO
NIKON D850 (45mm, f/1.8, 1/30 sec, ISO80)

ASUS GTX 1080 Ti TURBO

ASUS RTX 2080 Ti TURBO
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO400)

ASUS RTX 2080 Ti TURBO

ASUS RTX 2080 Ti TURBO 自作PC搭載
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO900)

虹色のラインになったことで、PC内部のカラーにも合わせやすくなりました

RTX 2080 Ti搭載後のNZXT H200i自作PC
NIKON D850 (45mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO640)

RTX 2080 Ti搭載後の自作PC

GTX 1080 TiからRTX 2080 Tiへ交換して4Kゲームを比較

今回はベンチマークソフトで細かく数値を測るのではなく、普段遊んでいるゲームを実際にプレイしてGTX 1080 Tiとの差を確認しました。

以下は、このPC環境でプレイしたときの当時の実測・体感です。ゲームのバージョンやドライバー、設定によって結果は変わるため、参考程度に見てください。

モンスターハンター:ワールド

4K・高画質設定では、GTX 1080 Ti使用時に街中などで60fpsを維持するのが難しい場面がありました。

RTX 2080 Tiへ交換すると、60fps付近を維持できる場面が増え、4K環境での余裕を感じます。

FINAL FANTASY XV

4K環境では50fps前後でプレイできました。

G-SYNC対応ディスプレイと組み合わせることで、フレームレートの数値以上に滑らかに感じられます。

DARK SOULS III

4Kでプレイし、おおむね60fps付近で動作しました。

Fallout 76 Beta

GTX 1080 Tiでは60fpsから一時的に下がる場面がありましたが、RTX 2080 Tiではより安定して動作しました。

VIVE ProでRTX 2080 TiのVR性能をチェック

VRではRTX 2080 Tiへの交換による性能の余裕を特に感じました。

GTX 1080 Tiでは負荷が高かった場面でもカクつきが減り、内部解像度を170%程度まで上げてもプレイできました。

今回試した範囲では、GTX 1080 TiからRTX 2080 Tiへの交換による違いは、特に4KやVRのようなGPU負荷の高い環境ほど体感しやすい結果になりました。

RTX 2080 Ti TURBOの温度と騒音

実際に使ってみて、良かったところと気になったところの両方があります。

まず騒音については、GTX 1080 Ti TURBOではアイドル時にほとんど気にならなかったファン音が、RTX 2080 Ti TURBOでは若干聞こえます。

一方、高負荷時のファン音についてはGTX 1080 Ti TURBOより多少抑えられたように感じました。

温度はゲーム中のピークで約84℃。数値だけを見ると高めですが、今回の環境ではGTX 1080 Ti TURBOと大きく変わらない結果でした。

ブロワーファンを採用した外排気モデルなので、静音性だけを最優先する製品ではありません。その代わり、GPUから発生した熱をケース外へ排出できる点は、Mini-ITXのような内部スペースが限られたケースではメリットがあります。

GTX 1080 TiからRTX 2080 Tiへ乗り換える価値はあった?

ASUS TURBO-RTX2080TI-11Gへ交換して最もメリットを感じたのは、4KゲームとVRでの性能の余裕です。

GTX 1080 Tiも非常に完成度の高いGPUだったため、一般的なゲーム用途では買い替えが必須と感じるほどではありませんでした。

一方で、4K解像度で高画質設定を使いたい場合や、VIVE Proのような高解像度VR環境では、RTX 2080 Tiへの交換による性能向上を体感できます。

デザインもGTX 1080 Ti TURBOから大きく変更され、PC内部へ組み込んだときの印象もかなり良くなりました。

補助電源コネクタの向きもGTX 1080 Tiから変更されています。ケースやケーブルの取り回しによって好みは分かれそうですが、今回の環境ではコネクタの爪部分がケース下側を向くようになり、扱いやすく感じました。

約17万円という購入当時の価格を考えると、GTX 1080 Tiユーザー全員におすすめできるアップグレードではありません。

それでも、4K・VR性能を重視し、新しく登場したRTX世代の機能も試したい場合には魅力のあるGPUでした。

発売当時期待されていたRTXとレイトレーシング

RTX 2080 Tiが登場した2018年当時、リアルタイムレイトレーシングやDLSSはまだ対応ゲームが限られており、新しいRTXシリーズの機能を十分に活用できる環境はこれからという状況でした。

そのため発売当初は、純粋な描画性能の向上に加えて、今後レイトレーシングやDLSSへ対応するゲームがどこまで増えるのかも注目点でした。

今振り返るとRTX 2080 Tiは、単純なGTX 1080 Tiの高速版というだけではなく、新しいGeForce RTXシリーズの方向性を示した初期世代のGPUでもあります。

RTX 2080 Tiの故障報告について

RTX 2080 Ti発売直後の2018年当時は、一部で故障に関する報告も話題になっていました。

購入直後のこの個体については特に異常はなく、通常どおり使用できています。

当時はGDDR6メモリなどさまざまな原因が推測されていましたが、こちらでは故障原因を検証できていないため断定はできません。

発売直後かつ高価なGPUだったこともあり、万が一を考えると保証を受けられる国内販売店や正規流通品を選んでおく方が安心だと思います。

まとめ

ASUS TURBO-RTX2080TI-11GをGTX 1080 Tiから換装して試してみました。

外排気型という特徴を維持しながらGPU性能が向上しており、今回の環境では特に4KゲームとVRで性能の余裕を感じられました。

一方でGTX 1080 Ti自体の完成度も高いため、価格まで含めると万人向けのアップグレードとは言いにくいところです。

2018年当時としては非常に高価なGPUでしたが、RTX、リアルタイムレイトレーシング、AIを利用したグラフィックス処理など、その後のGeForceへ続く新しい世代の始まりでもありました。

発売直後に実際にGTX 1080 Tiから交換し、4KゲームやVIVE Proまで試した記録として、RTX 2080 Tiについて調べている方の参考になればと思います。