さっぽろ雪まつりは、札幌の冬を代表するイベントのひとつ。
この記事では、実際に2014年・2015年のさっぽろ雪まつりを撮影した経験をもとに、雪像をきれいに撮るために意識したい8つのポイント+撮影後のRAW現像について紹介します。
雪像は一見撮りやすそうですが、実際にカメラを向けてみると「雪が真っ白になって細部が消える」「人が大量に写り込む」「雪像が大きすぎて構図が決まらない」など、意外と難しい被写体です。
カメラ初心者でも使える内容を中心にしていますので、一眼レフ・ミラーレスはもちろん、現在のスマートフォン撮影でも考え方はかなり共通しています。
※掲載写真は主に2014〜2015年に撮影したものです。
2027年のさっぽろ雪まつりは2月4日〜11日に開催予定です。会場の通行方法、撮影ルール、三脚の使用可否、ライトアップやイベント内容などは年によって変更される可能性があるため、来場前に最新の公式案内も確認してください。

札幌雪まつりを撮影する8つのポイント
1. 青空なら雪像が映える。朝や夜も撮りやすい
雪像と青空の組み合わせはとても相性がよく、晴れている日は白い雪像と青空のコントラストがきれいに出ます。
ただし、晴天の日中は雪に強い光が当たるため、明るい部分が真っ白になって細かな造形が消えてしまうことがあります。
雪像のディテールまで残したい場合は、日差しが強くなる前の朝や、光が柔らかい時間帯も撮りやすいです。曇りの日も光が均一になりやすいので、細かな造形を撮るには必ずしも悪い条件ではありません。
そして夜はライトアップ。昼とはまったく違う雪像を見ることができます。
2. きれいな雪像を撮るなら会期の早い時期も狙い目
雪像は屋外にあるため、気温や降雪、日差しなど天候の影響を受けます。
期間中もメンテナンスされていますが、完成直後に近いシャープな造形を撮りたいなら、会期の比較的早い時期を狙うのもひとつの方法です。
ただし、さっぽろ雪まつり公式案内では大通会場・つどーむ会場は会期前には入場できないと案内されています。制作中の雪像を撮る目的で会場へ入るのではなく、開催期間中に楽しみましょう。
3. 雪の白飛びに注意。露出補正を使ってみる
雪像撮影で特に気をつけたいのがハイライトです。
雪の一番明るい部分が真っ白になり、模様や凹凸が見えなくなってしまう場合があります。
そんなときは、カメラの露出補正を少しマイナス側にして撮ってみてください。
例えば「-0.3EV」「-0.7EV」と少しずつ下げながら確認すると分かりやすいです。
ただし暗くしすぎれば当然全体も暗くなるので、撮影後にモニターやヒストグラムを確認しながら調整します。
RAWで撮影しておけば、あとから明るさを調整できる余裕も大きくなります。
4. 標準ズームが使いやすい。望遠があると細部も狙える
自分が当時使っていたのはNikon D5000と18-55mmの標準ズームなどです。
大きな雪像全体を撮るなら、APS-C機では18-55mm程度、フルサイズなら24-70mm前後の標準ズームが使いやすいと思います。
ただし雪像はかなり大きいので、広角側で全体を入れるだけが撮り方ではありません。
100〜200mm程度の望遠レンズがあれば、雪像の顔、彫刻、細かな模様など一部分だけを切り取る撮影もできます。
同じ雪像でも「全景」と「ディテール」の両方を撮っておくと、後から見返したときにも面白いです。
5. 足元は滑りやすい。撮影よりまず安全優先
冬の札幌なので、当然ながら雪と氷があります。
雪が踏み固められて非常に滑りやすくなっている場所や、気温によってはぬかるんでいる場所もあります。
カメラを見ながら歩いて転んでしまっては雪まつりどころではありません。
滑りにくい冬靴を用意して、撮影するときはいったん立ち止まるのがおすすめです。
また、会場の通行ルートや規制は開催年・混雑状況などによって変わる可能性があります。現地スタッフや案内表示に従ってください。
6. 撮影場所は譲り合う。三脚は最新ルールも確認
人気の大雪像前では、多くの人が写真を撮っています。
いい場所を確保できても、撮影が終わったら次の人に譲った方がみんな気持ちよく楽しめます。
同じ場所から何十枚も撮るより、少し移動して角度や距離を変えた方が違う写真になることも多いです。
三脚についても、混雑した通路では周囲の人にとって危険になることがあります。
使用する場合はその年の会場ルールを確認したうえで、通行の妨げにならないことを優先しましょう。
7. 人が写り込むなら「雪まつりの風景」として撮る
大通会場で「誰も写っていない雪像」を撮ろうと思うと、時間帯によってはかなり難しいです。
でも、人が写っている写真も悪いものではありません。
大きな雪像を見上げる人や、スマートフォンで写真を撮る人まで含めて撮れば、雪像の大きさや雪まつりの賑わいが伝わります。
どうしても人混みを避けたいなら、比較的人が少ない時間帯を狙う方法もあります。
「人を消す」のではなく「人も含めて雪まつりを撮る」と考えると、構図の選択肢がかなり増えます。
8. 正面だけでなく、下から・斜めから・細部も撮ってみる
雪像を見ると、つい真正面から全体を撮りたくなります。
もちろん記録写真として全景を1枚撮っておくのはおすすめですが、それだけではなく少し位置を変えてみます。
広角レンズで少し低い位置から見上げれば、大雪像の迫力を出しやすくなります。
斜め方向から陰影を入れたり、望遠で彫刻部分だけを切り取ったりすると、同じ雪像でもまったく違う写真になります。
雪像そのものだけでなく、会場の照明、出店、観客、雪が降っている様子などを一緒に入れるのもおすすめです。
雪像を撮ることだけに集中しすぎず、雪まつり自体を楽しみながら撮影するのが一番です。
+α:RAW現像で雪像の見え方を変えてみる
ここからは撮影後の話です。
RAWで撮影すると、JPEGより大きなデータになりますが、撮影後にホワイトバランスや明るさ、ハイライト、シャドウなどを比較的自由に調整できます。
特に雪像は白一色に近い被写体なので、少しの調整でも印象が大きく変わります。
現在はAdobe LightroomやCamera Raw、各カメラメーカーのRAW現像ソフトなど、さまざまな方法で現像できます。
まずはほぼそのままの状態

曇り空でコントラストの低い条件ですが、元データには雪像のディテールが残っています。
ディテールを強調してみる

色を少し抑えることで、雪像そのものの形も見やすくなりました。
ホワイトバランスを青方向へ振る

どれが正解というより、ここから先は好みです。
見たときの雰囲気を再現するのか、寒さを強調するのか、雪像の造形を見せるのか。撮影者がどう見せたいかで変えていいと思います。
白っぽく見えた写真からディテールを戻す

このような写真でもRAWに階調が残っていれば、ハイライトやコントラストなどを調整できます。

同じ写真でもかなり見え方が変わります。
雪像だけでなく、普段の風景やスナップでもRAW現像を試してみると、撮影後の表現の幅が広がります。
色温度と周辺減光で雰囲気を変える


周囲が暗く見えるのは、ここでは現像時に意図的に加えた周辺減光(ビネット)の効果です。
視線を中央へ集めたり、少し古いレンズやトイカメラのような雰囲気を作ったりすることもできます。

全景を撮ったあと、時計部分など特徴的なところへ近づいたり望遠で切り取ったりすると、また違った雪像の表情が見えてきます。
夜の雪像はライトアップも撮ってみたい
昼の雪像だけでなく、夜のライトアップもさっぽろ雪まつりの大きな楽しみです。
現在の大通会場でも夜間ライトアップが行われていますが、実施時間や演出は年によって変わるため最新情報を確認してください。

この日はかなり天気が悪かったのですが、それでも多くの人が雪像を見に来ていました。

まとめ|雪像だけでなく「雪まつりの空気」まで撮ってみる
雪像撮影では、白飛びを防ぐ露出、レンズ選び、撮影する角度など技術的なポイントもあります。
でも、あとから写真を見返して面白いのは、雪像だけではありません。
雪が降っていたこと、人がたくさんいたこと、ライトアップの光、出店やイベント、その日の天気まで含めて「その年の雪まつり」です。
大雪像の真正面からの写真を撮ったら、少し周囲も見ながら自分なりの雪まつりを撮ってみると面白いと思います。
年によって雪像、ライトアップ、プロジェクションマッピング、ステージ、ウインターアトラクションなどの内容も変わります。
ぜひ冬の札幌で、さっぽろ雪まつりと写真撮影の両方を楽しんでみてください。
この記事で使用した撮影機材
この記事の作例は主に2014〜2015年当時、以下の機材で撮影しています。
- Nikon D5000
- AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G
- AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
- SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG
現在のカメラより古い機材ですが、露出や構図、光の考え方そのものは今でも変わりません。