こんにちは。Nemotoです。
Milvusレビューシリーズ第3段!今回はMilvus 2/135(Milvus 135mm F2)です。
レビューの仕方については、
【レビュー】ZEISS Milvus 1.4/85の写りは!?作例有り
【レビュー】ハーフマクロ ZEISS MILVUS 2/50MのF値毎の描写比較と作例
の記事と同様に近景から遠景を各絞りごとにご紹介していきます。
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レンズ概要
※Milvusとは的な部分はMilvus 1.4/85の記事を参照ください。
Milvus 2/135(検索用:Milvus 135mm F2)は2017年2月22日にZEISSから発売されたレンズです。
Milvus 2/135はクオーターマクロ(0.25倍)で最短撮影距離は80cmです。最短の80cmはMilvus 1.4/85と同じなので、焦点距離が長い分大きく撮れます。135mmといえばCanon純正やSigmaもありますが、そのどちらよりも寄れます。CanonやSigmaではなく、ZEISSを選んだ理由は多々ありますが、寄れるというのも大きな理由です。
■レンズの仕様
焦点距離:135mm
開放f値:f/2
フォーカス:MF
最短撮影距離:0.8m
最大撮影倍率:0.25倍
レンズ構成:8群11枚
絞り羽根枚数:9枚
フィルター:77mm
重さ:1123g(ZE)、 1059g(ZF.2)
マウント:ZE(キヤノンEF)、ZF.2(CPU内蔵ニコンAi-S互換)
レンズ外観等
まずは同梱物やレンズ外観等のご紹介。

箱とレンズとフード。Milvus 1.4/85と外観はそっくりです。

フードつけるとヌメッとした滑らかな感じが強調される気がします。Milvus全体に言えますが、フード含めての一体感は素晴らしい。

Milvus系はピント位置により、レンズが伸びるのですが、伸びていないときはとても美しい。

最短は80cmです。(Milvus 1.4/85と同じ)最短あたりはビヨーンとします。大分慣れてしまってあまり思わなくなってきましたが、この伸びているときは見た目が少し微妙ですよね。。

77mm径。Milvus 2/135はApo Sonnarです。ちなみにMilvus 1.4/85はPlanar、Milvus 2/50MはMacro Planar設計です。
最短・無限遠のF値ごとの比較
最短、遠景でのF値ごとの比較です。F値やISO、SSなどはExif情報(各写真の黒枠右下)を参考にして下さい。
それぞれで中央などの拡大画像もありますのでそちらも合わせてご参考に。
最短
Milvus 1.4/85やMilvus 2/50Mの時と同様、ピントはIMAGE STABILIZERのSの辺りに合わせてます。

最短F2。円形ボケはこの絵でわかるので拡大は中央のみ。

ボケ方は2/50Mの最短よりは少し弱いかもしれません。流石にハーフマクロほどではないですが近いものはあります。1.4/85の最短よりは圧倒的にボケてます。

F2.8。2/50Mと同じく1段絞ると旧にボケは円形になります。

F2からですが、ボケの色づきはかなり少ないです。そしてピント面の解像感が・・

F4

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F5.6

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F8

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F11

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遠景
無限遠での比較です。無限遠は他のMilvusレビューと同様、最後にF2,F5.6,F11で中央と隅でそれぞれ比較したのも置いておきます。

いつもどおり遠景のF2から。

遠景のF2中央

個人的に驚いたのがこれ。遠景F2の左上隅。1.4/85や2/50Mは開放時の隅は結構甘めでしたが、それが全然ない。周辺減光はあるけれど、線はかなりしっかり出てる。

F2.8。周辺減光はまだ少しあるかな?というレベル。

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F4。周辺減光はほぼない。

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F5.6

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F8

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F11

F11

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以下比較です。まずはF2←→F5.6の中央
う、うん・・?明るさの違いくらいしか見て取れない・・?柵というのか格子というのかあれですが、ベランダのところもほぼボヤけず、線としてきちんと見えてますね。


F2←→F11の中央
こっちでも明るさの差くらいしか・・


F5.6←→F11の中央
F2でもわからないのだから、わかりませんね。。


F2←→F5.6の隅
周辺減光はあるので、中央と違ってF2が暗いです。ただ解像感としては、、、差がほぼわからないです。Milvus1.4/85や2/50Mは開放の写真単体で見て、そんなに差がなさそうに見えても、こうやって並べると違いがわかるものなのですが、2/135は正直わかりません。。左上隅の建物の横線の細かいところがあるかと思いますが、そこですら違いがわからないレベルです。皆さんにはどう見えますか・・?


F2←→F11の隅
F11の方がむしろ回析現象?で少し甘く見えるくらいですが、ほぼわかりません。これ開放の隅ですよ・・?


F5.6←→F11の隅


作例
ここから作例を載っけます。最初の方はわかりやすいように撮ったもので、現像もナチュラルにしてますが、後半はかなりゴリゴリいじっているので(TOP絵含めて)、そのへんはご了承下さい。

ほぼいじってないものをここから何枚か。

暗い明るいが交互に来る結構難しい環境。でもしっかりと描写しています。あまりいじっていないのであれですが、いじれば黒の部分とかももっとはっきり見えるようにはできます。

はちさんとひまわり。結構寄れるので花粉をつけているのが見えます。

ひまわりの後ろの毛。産毛みたいなのまでしっかりと描写したうえで前後にじんわりボケていきます。

格子。

どうにかゴースト出せないか頑張ってたやつ。左下に若干出ました!ガッツリ太陽いれているけれどフレアっぽさはそこまでないかな

一部紫フリンジ。ただものすごく意地悪な条件なのにもかかわらずこのくらいなので、早々気にしなくていいレベル。ゴーストは出なかった。。

最短近辺での前後ボケ。

光の表現が綺麗。そして中距離くらいの前後ボケ。

中距離以上無限遠未満の後ろボケ。大体石垣?くらいがピント位置です。なので後ろの階段とかはじんわりボケてます。
この辺りから現像はゴリゴリしていますので、その前提で参考にして下さい。

ネモフィラ。最短近辺で撮れば、そこまで背景が遠くなくても溶けます。85mmは最短が遠いので、少し厳しいです。

中綱湖のさくら。コントラストと解像感が素晴らしい!

水面の描写が面白く撮影。手持ちです。

あじさい。艶っぽさが素敵。

こういうのは流石にちょっと遠いです。このレベルは等倍以上のマクロが良いですね。

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雨降っている中、地面スレスレで撮るのは5d4との組み合わせだと液晶固定なので大変です。。

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キレキレの絵を見て絞ったと思っていたけれど開放で撮っていた写真←

ちょっとテカリのある黄色と緑でかつコントラストが激しいという結構難しい絵。この写真だとわからないかもしれませんが、髪と背景の黒は分離されてます。

最初に見た時にうおっとなった写真。髪などの線の細さとピント面の綺麗さ、色の良さ、ボケ方などかなり綺麗。特に髪の色、微妙なコントラストはかなり好き。

これもピント面が綺麗すぎて、肌の感じとかを全部拾っちゃうので、結構修正しています。目の辺りとか(多分)カラコンの微妙な青を拾っていたり解像感がとても良い。

背景のボケはこんな感じ。ぐるぐるはしますが、Milvus 1.4/85ほどではないです。

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全体が暗めの場所ですが、アンダーも結構粘ってくれるので現像時は楽ちんです笑

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この日はほぼ曇りでしたが、たまにこうやって日が差してました。それでも少し反射の強い服も飛ばず、顔などの暗いところもきちんと写ってます。

これは赤の色が凄くきれい。緑との対比というのもありますが、色が凄くきれいに乗っています。キャノンは比較的赤が飽和するのですがZEISSを使っていると結構粘ってくれる気がします。

これもかなりコントラストが高いのですが、どうにかなります。

陽の光は好きですし、コントラスト高いのも好きなのですが、どうしてもどちらか(白か黒)が潰れてしまうことが多いです。ZEISSは比較的そこが粘ってくれます。

(かわいい)

背景がそこまで綺麗ではなかったのですが、圧縮してくれるおかげで良いところを切り出せます。

良いところを切り出せませんでした← まぁ合同大撮はどうしても・・(言い訳)

空を残せるのは結構大きい。あとこのくらいの大きさで人を切り取ろうとすると結構離れるので、ピントは合いやすいです。

流石にガッツリ日があたっているところとあたっていないところでは厳しいですが、それでも竹?は見えているくらいには粘ります。

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これは4人の方が微妙に前後しているのですが、少し距離が必要なおかげで全員ピントが合っています。85mmで同じ構図で取ろうとするとおそらく誰かしらはピントが外れると思います。
まとめ
今回も作例含めて色々載せてみました。
よく話題に上がる、85mmと135mmはどっちが良いのか論は改めて記事にしようと思っているので、別途お話するとして、単純にMilvus間の比較では、解像力では135mmが圧倒的ですね。特に開放で隅までここまできっちりしているのはすごいです。
ちなみに解像力ではよく話題に上がるSigmaより優れています。
https://dustinabbott.net/2017/05/sigma-135mm-f1-8-hsm-art-review/
※外部サイトです。
こちらのサイト内にある動画で比較していますが、SigmaのF1.8とF2に対して、MilvusのF2の方が解像感があります。コントラストや色もMilvusの方が良いです。またこれは好みでしょうが、Sigmaはピント面から滑らかにボケるというよりもピント面を外れると急激にボケます。そのため被写体への視線誘導としては良いですが、若干の違和感が出るときがあります。その点Milvusは滑らかにボケていくのでそういった違和感はありません。
まぁAFや価格の差があるのであれですが、「描写」の面だけで見れば、Milvus 2/135はかなり良いレンズだと思います。
Planar系のMilvus 1.4/85に比べて、明らかにシャキッとしていてポートレートとしてはどうかな?と思う面もあります。ボケが滑らかなので、違和感とかは感じないのですが、ピント面はあまり映さなくて良いものも結構写ってしまいます。
Milvus 1.4/85は単体で見るとシャキッとしていると思っていましたが、こちらに比べると開放時は柔らかめですね。最近の解像度競争みたいなので考えるとかなり上位ですが、柔らかい描写をするポートレートレンズを探している方には、少し描写が硬いかもしれません。代わりに星を撮るとか、風景を撮るとかだと開放でも隅までキレイなので、かなりオススメです。
今回私がMilvus 1.4/85があるにも関わらず、Milvus 2/135を購入しようと思ったのは、クオーターマクロ(0.25倍)で近寄れることが大きな理由です。Milvus 85で花とかを撮っている時に一番うーんと思ったのが寄れないことです。0.13倍までしか寄れないので、結構小さく、カタクリの花とかを撮りに行ったときが特に感じました。あじさいの絵などは最短近くで撮っていて、大分考えていた通りの大きさで撮れたので、これから花とかを撮るときはこちらのほうが使用頻度が高くなる気がします。
135mmは85mmほどではないですが、他にもいくつかありますので、購入する際には参考にしていただければ!マニュアルレンズというのがネックになるかもしれませんが、ミラーレスが主になってしまえば、ピント合わせは正直ほとんど苦労しないと思うので描写で選ぶのも良いと思いますよ(^o^) 一度使ってみるとZEISSの良さはよく分かると思いますので是非!(布教中 笑)
それではまたー!
執筆者
- 東京在住でSEやってます! 写真はほとんど初心者ですが、楽しく撮影してます♪ その楽しさが少しでも伝わる投稿が出来るよう頑張ります( *・ω・)*_ _))ペコリ
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